群馬大学大学院 医学系研究科皮膚科学 > 研究 > 清水グループ

研究

清水グループ

清水グループ

研究メンバーLABORATORY MEMBERS

清水 晶 (グループ責任者・講師、文責)
栗山 裕子(大学院生)
水野 早紀(技術補佐員)

研究テーマ

研究の特徴

グループ責任者の清水は群馬大衛生学星野洪郎先生のもとでレトロウイルス学を学び、留学先のUniversity College LondonでMary Collins教授、Yasu Takeuchi博士のもとカポジ肉腫の研究を行ってきました。したがって、現在も主にウィルスから疾患(皮膚腫瘍、膠原病)へアプローチし研究を行っています。ウィルスでは現在はヒト乳頭腫ウィルス(HPV:Human papillomavirus)を中心に研究しています。内在性ウィルスの近縁であるレトロトランスポゾンの1つであるLINE-1(long interspersed nuclear elements)もテーマの1つです。また遺伝性疾患(先天性乏毛症、まだら症)の病態解明、皮膚悪性腫瘍の予後解析にも取り組んでいます。皮膚科研究室でウイルス関連の研究を行っているところは少なく、研究グループの大きな特徴であります。

1.膠原病発症におけるウイルス感染とLINE-1

現在当科では専門外来が多くあり全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎患者さんが多く通院されています。患者さんや倫理委員会の承認を得て末梢白血球や皮膚生検組織よりRNAを抽出し、遺伝子発現について調べています。

一部の全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎の患者さんではLINE-1発現の上昇が報告されており、病態形成やメカニズムへの関与について検討を重ねています。また発症の機序として外来ウイルス感染の関与について群馬県衛生研究所と共同で研究を行っています。

Shimizu A, Nakatani Y, Nakamura T, Jinno-Oue A, Ishikawa O, Boeke JD, Takeuchi Y, Hoshino H.

Characterisation of cytoplasmic DNA complementary to non-retroviral RNA viruses in human cells.

Sci Rep. 30;4:5074. 2014

2.HPVと皮膚腫瘍

HPVは200種類以上のtypeが同定されており、typeによって部位親和性や疾患特異性、発癌リスクの特徴がみられます。病理組織HE染色でも一部のHPVは特徴的な封入体を呈します。HPVはこれまでの多くの皮膚腫瘍との関連が言われていますが、当科ではHPV DNAを生標本、パラフィンブロック双方からの検出が可能です。抗HPV抗体による免疫染色による局在の確認も行っています。皮膚癌とHPV typeによる相関性や新たな特徴について多くの業績があります。また他院からの診断目的のHPVウィルスの検出やタイプの同定にもご協力させていただいております。最近ではGATA2転写因子に異常がありHPVに易感染性を示す疾患のウィルスタイプの同定や、日光角化症30例を検討しHPV DNAの検出がみられなかったことを報告しています。

論文:

Kuriyama Y, Shimizu A, Ohnishi K, Ishikawa O. Detection of human papillomavirus in actinic keratosis.J Dermatol. 45:e183-e184. 2018
Kuriyama Y, Hattori M, Mitsui T, Nakano H, Oikawa D, Tokunaga F, Ishikawa O, Shimizu A.Generalized verrucosis caused by various human papillomaviruses in a patient with GATA2 deficiency. J Dermatol. 45:e108-e109. 2018

3.遺伝性疾患の発症メカニズムの解明

3-1 先天性乏毛症

デスモグレイン4という毛髪に発現する蛋白の異常で出現します。連珠毛という数珠のような毛髪が見られます。この蛋白の細胞内のふるまいを研究して大きな成果を挙げています。現在東京で開業している加藤円香先生が大学院在学中に行った研究です。この研究は高く評価され、加藤先生は平成26年度群馬大学大学院最優秀賞に選ばれました。

論文:Kato M, Shimizu A, Yokoyama Y, Kaira K, Shimomura Y, Ishida-Yamamoto A, Kamei K, Tokunaga F, Ishikawa O.An autosomal recessive mutation of DSG4 causes monilethrix through the ER stress response. J Invest Dermatol. 135:1253-1260. 2015

3-2 先天性表皮水疱症の研究

昨年卒業された服部麻衣先生の研究です。7型コラーゲンという皮膚の蛋白の遺伝子が変異して起こる疾患です。変異した蛋白が小胞体に沈着し小胞体ストレスを生じていることを発表しました。難治性疾患のメカニズムの1つとして重要であると思われます。

論文:Hattori M, Shimizu A, Oikawa D, Kamei K, Kaira K, Ishida-Yamamoto A, Nakano H, Sawamura D, Tokunaga F, Ishikawa O.

Endoplasmic reticulum stress in the pathogenesis of pretibial dystrophic epidermolysis bullosa. Br J Dermatol. 177:e92-e93.2017

3-3 「まだら症」発症におけるKIT変異と色素幹細胞の研究

生まれつき体に白斑がある方を「まだら症」といいます。通常は色素再生してくることは稀ですが、一部の方では再生が見られます。KIT遺伝子に特有の変異があり、我々はその遺伝子が細胞の中の小胞体に留まることを見出しました。次の大きな課題は白斑内に色素を産生する細胞のもととなる色素幹細胞がある可能性が高く、見つけ出そうと試みております。服部先生の卒業論文であり、現在も色素幹細胞探しの研究を継続しています。

論文:Hattori M, Ishikawa O, Oikawa D, Amano H, Yasuda M, Kaira K, Ishida-Yamamoto A, Nakano H, Sawamura D, Terawaki SI, Wakamatsu K, Tokunaga F, Shimizu A. In-frame Val216-Ser217 deletion of KIT in mild piebaldism causes aberrant secretion and SCF response.

J Dermatol Sci. 91:35-42. 2018

共同研究体制

これまで素晴らしい共同研究者に恵まれてきました。専門外の研究でも共同研究を行うことにより成果を挙げることができ、またスペシャリストの研究に対する姿勢も学ぶことが出来ました。この場を借りてお礼申し上げたいと思います。

大阪市立大分子医化学 徳永文稔先生、及川大輔先生: 分子生物学全般

旭川医科大皮膚科  山本明美先生: 電子顕微鏡関連

弘前大学皮膚科  澤村大輔先生、中野 創先生: 遺伝子解析

山口大学皮膚科  下村 裕先生: 毛髪遺伝子関連

琉球大学皮膚科 高橋健造先生: 血管肉腫の解析

群馬大学大学院理工学府  若松 馨先生: 変異蛋白の構造解析

埼玉医大呼吸器内科  解良恭一先生: 悪性腫瘍の免疫染色と解析

群馬県衛生環境研究所  塚越博之先生、猿木信裕先生: 皮膚筋炎とウイルス感染

グループ写真


服部論文掲載のお祝い

左から栗山、服部、清水、水野

Best Scientific Poster Award. (2014東部支部、大学院入学前)

研究室OB,OG

加藤 円香先生 (恵比寿mamaクリニック 院長)

服部 麻衣先生 (前橋赤十字病院皮膚科 医員)

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