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メッセージ

患者さん、ご家族のみなさんへ

皮膚は体表を覆う人体最大の臓器です。外部からの病原微生物、アレルゲンなどの侵入を防ぐとともに、体の内部から水分が蒸発しないように全身を覆っています。つまり、皮膚は外界と接する最前線にあって体の内部を守る役目を果たしています。その他、発汗による体温調節作用、知覚神経による温痛覚の受容、皮下脂肪組織によるエネルギー貯蔵・衝撃緩衝作用なども有する極めて重要な組織・臓器になります。
皮膚の病気には、①内臓の異常とは関係ない皮膚自体の病気、②内臓の異常が皮膚に反映されている病気、そして、③全身性疾患や遺伝性疾患の部分症状としての皮膚の病気、などがあります。そして、これらの中には命に係わるような重篤な病気も少なくありません。

皮膚の病気は、患者さん本人だけではなく、周囲の人々からも見えるため、日常生活に支障を生じることが多く、精神的苦痛を伴うために、著しいQOLの低下につながります。我々は一人でも多くの患者さんの皮膚疾患を治療し、精神的な支えになりたいと考えております。

当科では皮膚の病気全般に亘って診療しておりますが、大学病院の皮膚科として、これまでにも数多くの重症患者さんや難治性疾患に苦しむ患者さんを診断・治療してまいりました。この経験を生かし、今後も病に苦しむ方々の背中を支えて一緒に歩んでまいります。

私たち皮膚科専門医は、軽症から重症までの様々な病気を正しく診断し、患者さん一人一人に適した治療をさせていただきます。説明でわからないことがございましたら、遠慮なさらずに担当医にお聞きください。セカンドオピニオンにも対応しております。

当科の専門外来には以下のものがあります。経験豊かな専門医が診療させていただきます。

  1. 皮膚病変を生じる膠原病(強皮症、皮膚筋炎、エリテマトーデスなど)
  2. 皮膚悪性腫瘍(悪性黒色腫、有棘細胞癌、基底細胞癌、皮膚リンパ腫など)
  3. 自己免疫性水疱症(天疱瘡、類天疱瘡など)
  4. アトピー性皮膚炎
  5. 乾癬・炎症性角化症
  6. 蕁麻疹
  7. 脱毛症
  8. レーザー(血管腫)
  9. 血管炎
  10. 褥瘡・フットケア
  11. 遺伝性皮膚疾患(Werner症候群、結節性硬化症など)

また、地域の基幹病院やクリニックからご紹介いただいた難治性皮膚疾患を中心に入院加療を行っております。医療安全に十分に注意しながら、患者さんに最新・最適な治療を提供できるよう誠心誠意努めてまいります。

皮膚病変は他科の疾患と合併することが多いため、様々な臨床科と連携して群馬大学一丸となって、患者さんに寄り添っていきたいと思います。また、群馬県全体と近隣地域の地域医療を支えるためには、地域の基幹病院、開業医と連携が必要と考えております。今後も、地域の基幹病院やクリニックの先生方との連携に重点を置いて、群馬県や近隣地域の地域医療を充実、発展させていきるよう努めてまいります。

さらに、日常診療で出会った症例の一つ一つを大事にして、患者さんの病気を治したい、苦しみを少しでも取り除きたいという熱い思いをもって基礎研究と臨床研究を行っております。患者さんの治療に還元できる成果をあげることを教室の目標としております。

患者さんに最新・最適な医療を提供できるよう教室員一丸となって日々励んでおりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

群馬大学医学部附属病院 皮膚科 教授 茂木 精一郎

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