内山 明彦(グループ責任者)
井上 裕太
石川 真衣
小坂 啓寿
Syahla Nisaa Amalia
Bolor Nasanbat
Bayarmaa Taivanbat
Munkhjargal Nasan-Ochir
荻野 幸子
糖尿病性潰瘍や褥瘡(床ずれ)などの難治性潰瘍を生じる疾患の病態解明を目指した研究を行っています。
これまでに遺伝子欠損マウスや糖尿病マウスを用いて、間葉系幹細胞による皮膚創傷治癒におけるアポトーシス細胞や血管新生の制御に関する研究を行ってきました。また、グループ責任者は留学先 (NIH, Laboratory of Skin Biology)で口腔粘膜と皮膚における創傷治癒の違い関する研究を行い、口腔粘膜で高い発現する転写因子SOX2が創傷治癒を促進するメカニズムを解明しました(Science Translational Medicine 2018, Journal of Investigative Dermatology 2019)。
また未だ有効な治療方法が確立されていない急性期の褥瘡に対する新たな治療開発を目標にこれまでに様々な研究を行っています。近年では酸化ストレスによる褥瘡の潰瘍形成に関する病態制御を解明し、新たな治療応用への可能性を見出しました(Wound Repair and Regeneration 2020)。これらの研究成果によって高齢化社会において問題となる褥瘡性潰瘍の発症・再発予防に対する新たな治療アプローチが期待できます。
参考文献:
■Inoue Y, et al. Wound Repair Regen, 2020; 28: 600-608.
■Yamazaki S, et al. Scientific Reports. 2020; 10: 1349.
■Uchiyama A, et al. Journal of Investigative Dermatology, 2019; 139: 1809-1820.
■Iglesias-Bartolome R, Uchiyama A, et al. Science Translational Medicine, 2018; 10: eaap8798.
■Uchiyama A, et al. Journal of Dermatological Science, 2017; 86:187-197.
■Uchiyama A, et al. Experimental Dermatology, 2016; 25: 678-83.
■Uchiyama A, et al. Journal of Investigative Dermatology, 2015; 135: 1157-65.
■Uchiyama A, et al. Scientific Reports, 2015; 13; 5: 9072.
■Uchiyama A, et al. American Journal of Pathology, 2014; 184: 1981-90.
アトピー専門外来を通じて難治性、重症アトピー性皮膚炎の病態に研究を行っています。近年注目されている様々な生物学的製剤やJAK阻害剤での治療に着目した臨床研究およびアトピー性皮膚炎モデルマウスを用いた基礎研究を行い、新たな治療応用の可能性につながる分子や病態のメカニズムに関する検討も行っています。
■Kosaka K, et al. European Journal of Dermatology, 2022, in press.
■Uchiyama A, et al. Journal of Dermatological Science, 2022; 106: 189-192.
■Uchiyama A, et al. Journal of Dermatol, 2022; 49: 469-471.
■Uchiyama A, et al. Journal of Cutaneous Immunology and Allergy, 2022; 5: 233-235.
■Chisako Fujiwara, et al. Journal of Cutaneous Immunology and Allergy, 2022; 00: 1-6.
医工・産学連携によって、群馬大学理工学府の板橋秀之先生と株式会社グッドアイ、株式会社ヤマトと連携しアトピー性皮膚炎の患者さんを対象として入浴剤(サンゴライト化粧水入浴剤~Sangolite BATH SALT®)を用いた新たなスキンケアの開発につながる研究を行っています。
■Uchiyama A, et al. Journal of Cutaneous Immunology and Allergy, 2021; 4: 159–165
GUDi (GUNMA, UNIVERSITY, DEVELOPMENT & INNOVATION)
https://gudi.co.jp/sangolite/
乾癬モデルマウスを用いた基礎研究を通じて新規治療開発を目標に研究を行っています。近縁では乾癬の病態に重要とされるIL-23/Th17経路と神経伝達物質との関連に着目し、ボツリヌス毒素を用いた治療応用への可能性を見出しました。(Journal of Dermatological Science, 2020)
参考文献:
■Amalia SN, et al. Journal of Dermatological Science, 2021; 101: 58-68.
私たちの研究グループでは臨床で得られる情報・検体を用いた臨床研究とマウスや細胞を用いた基礎研究の両方を行っています。臨床で生じた疑問・問題を研究によって解明し、その研究成果を患者さんへ還元できるよう日々研鑽を積んでいます。2022年度には、研究グループのメンバーならびに共同研究者の皆様のお力添えによって、日本研究皮膚科学会における若手JSID賞を頂くことができました。
また海外からの留学生も多く、国際色豊かなチーム編成になっています。学会発表や海外留学で必要な英語でのコミュニケーション能力の向上が期待できます。興味のある方がいましたら是非ご連絡下さい。
板橋 英之(群馬大学理工学府環境創生部門環境エネルギー分野)
柴崎 貢志(長崎県立大学大学院人間科学研究科細胞生化学講座)
Maria I. Morasso (米国国立衛生研究所(NIH) Laboratory of Skin Biology)